のと爺の古事記散歩

古希+4歳になってしまった爺さんが勝手気ままに古事記を散歩します。

古事記の神様と神社(1)

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天之御中主神と千葉神社

 大研究シリーズ第三弾を考えているのですが、あまりにマニアックになってもお読みいただいている方に申し訳ないなと思い、このシリーズは小休止とします。構想がまとまったらまた始めますので、その節は是非お読みいただければと思います。

 それで、じゃぁそれまで何やっかな、と考えたときにひらめいたのが古事記の神様とその神様を祀る神社の話です。といってもすべての神様(多分、古事記は300柱ぐらいいらっしゃる)は無理なので、予定としては10柱くらいの比較的皆さんに名前ぐらいは知られている神様にしていきたいと思っています。

 さて、第1回目は天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)です。どうでしょうか、この神様に馴染みはあるでしょうか。あまりないなぁ、という方がほとんどだと思います。この神様は「天地初発之時」、つまり天地が初めてあらわれ動き始めた時に、高天原に成った造化三神と言われる神様のうちのお一人(一柱)です。三神のうち高御産巣日神と神産巣日神はその後も大事な局面で登場するのですが、天之御中主神は成ってすぐに身を隠します。そして、この後、一切登場しないんですね。不思議ですよねぇ~、天地ができていの一番に成った神様が二度と出てこないんです。意味分かんない!
 で、この天之御中主神を祀る神社はいくつかあるのですが、そのうちの一つが私が住んでる千葉県にある千葉神社です。千葉神社は豪族千葉氏の祖で、さらには房総平氏の祖である平忠常によって長保2年(西暦1000年)に創建されたと伝わっています。
 ちなみに、紫式部の源氏物語が成立したのが長保3年(西暦1001年)と言われています。どうです、このブログ、勉強になっぺ!(栃木弁 なるでしょ!)
この千葉氏の守護神が北極星を神格化した妙見菩薩なんですね。妙見菩薩と天之御中主神を同一視して千葉神社の主祭神としたというわけです。

 千葉神社HPにこう書かれています。そのまま拝借して書かせていただきます。

 「主祭神である北辰妙見尊星王(ほくしんみょうけんそんじょうおう)様は、天の中央を定位とする北辰(ほくしん=北極星と北斗七星)の御神霊であり、通称「妙見様(みょうけんさま)」とも呼ばれ親しまれています。
古来より妙見様は、諸星諸神・方位方角を支配する尊い星の王であると讃称されており、その絶大なる霊力を人間界に投射することによって人の星(=人の運命)や全ての方位・方角を守護掌握する神様であると伝えられています。
日本の神話を記した『古事記』の冒頭には「天地初めて開けし時に成りませる神の名は天之御中主神」とあり、天の中央を司る妙見様と天之御中主大神(あめのみなかぬしのおおかみ)様とは同一の神様であると考えられています。
妙見様は、道教・陰陽道や易学・九星気学・風水学の根幹となる特殊神であり、あらゆる守護能力を発揮する神様として庶民間に広く尊崇されております。」

 いかがでしょうか、ありがたぁーい宇宙規模の神様だということがお分かりいただけたと思います。皆様がどこかの神社をお参りしたときに、祭神に天之御中主神の名を見つけたらこの話を思い出して下さい。はい、おしまいです。チャンチャン!

 次回はどの神様にしようかなぁ~。