のと爺の古事記散歩

古希+1歳になった爺さんが勝手気ままに古事記を散歩します。

古事記の神様と神社(6)

 

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富士山本宮浅間大社

木花之佐久夜毘売命富士山本宮浅間大社

 さぁ、たまにはヒメ神の話をしましょうか。ヒメ神と言えばなんてったってアマテラスですが、今回は木花之佐久夜毘売命コノハナノサクヤビメノミコト、以下、コノハナ)の話です。アマテラス大研究でも書きましたが、コノハナ天孫降臨したニニギの后となるヒメです。
 ニニギは降臨した笠沙之岬で美しいコノハナに会い、早速、お坊ちゃま振りを発揮して一目惚れします。そして、コノハナの名前を聞き、父親の名前を聞くと早々に父親である大山津見神(山の神)に遣いを出します。「僕ちゃんはニニギじゃが、あなたの娘を嫁にくれんか?」とでも言ったのでしょう。
 大山津見神は大喜びをしてコノハナと姉の石長比売(イワナガヒメ)の二人に嫁入り道具を持たせて送り出したのです。ところが、ニニギはイワナガヒメがとても醜くかったため、コノハナだけを受け入れて、イワナガヒメは送り帰しちゃったのです。
 これにはさすがの大山父ちゃんも怒りました。「おのれ、ニニギめ!二人とも受け入れていれば天つ神御子の命は常に石のように動かず、木の花が咲くように栄えたものを。コノハナだけを受け入れたのだから、これからは天皇たちの命は限りあるものとなるぞ!」 そうなんです、天皇に寿命があるのは大山津見神の呪いなんですね。

 しばらくして、ニニギとコノハナの会話です。

 コノハナ 「私、子供ができたわ。」
 ニニギ  「えっ、ヒメとはたった一回しか何してないのに妊娠した? マジで?
       誰か他のやつの子供じゃないか?」

 これを聞いてコノハナは激怒し、大胆な行動に出ます。
「何を言うか、男らしくない! ならばこれから子を生むぞ。他のやつの子なら無事に生まれることはない。だが、無事に生まれたらアンタの子なんだからちゃんと認知しろよ!」
 コノハナは出入口のない建物を建てその中に入ると内側から土で塞ぎ、陣痛が始まるとその建物に自ら火を放ち、その燃えさかる火の中で子を生んだのです。こうして火の中で生まれたのが火照命(ホデリノミコト、海幸彦)、火須勢理命(ホスセリノミコト)、火遠理命(ホオリノミコト、山幸彦)の三柱です。

 どうですか、ニニギの馬鹿さ加減と、コノハナの情熱的執念とがよく分かるエピソードだとお思いになりませんか? それにしても、女は強い、そして恐い。(意見には個人差があります。)
 実は古事記には降臨してからのニニギの事績が何も書いてないんですね。上記の話の次は海幸、山幸の話になりますので、一体、何しに来たんだよっ、て感じです。

 さてさて、この容姿端麗で情熱的な精神の持ち主であるコノハナを祀っているのが、富士山本宮浅間大社です。その由緒にはこうあります。

 「富士本宮浅間社記」によれば、第7代孝霊天皇の御代、富士山が大噴火をしため、周辺住民は離散し、荒れ果てた状態が長期に及んだとあります。第11代垂仁天皇はこれを憂い、その3年(前27)に浅間大神を山足の地に祀り山霊を鎮められました。これが当大社の起源です。
その後は姫神の水徳をもって噴火が静まり、平穏な日々が送れるようになったと伝えられています。この偉大な御神徳は、万人の知るところとなり、篤い崇敬を集める事となりました。また、富士山を鎮めるため浅間大神をお祀りしたのは当大社が最初であり、全国にある浅間神社の起源ともなっています。 

 浅間神社は富士山という火山を「浅間大神」として祀った神社なんですね。そしてコノハナを祭神としたのは、父親の大山津見神が山の神であることに加えて、コノハナの持つ、容姿端麗ながら強い気性が荒ぶる霊峰である富士山にふさわしかったのだろうと思います。また、木花とは桜を象徴しており、美しさと儚さをもった文字通り美しい神様なんだということですね。

 さてさて、いかがでしたでしょうか。なんかよく分かりませんが、コノハナの男っぷり(失礼、女性でした)に爽快感を感じませんか?

 ではでは今回はここまで。次回をお楽しみに!!

 

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