のと爺の古事記散歩

古希+4歳になってしまった爺さんが勝手気ままに古事記を散歩します。

超入門古事記(4)壮絶な神生み・・・うぅっ、生まれる~!

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 前回、イザナギイザナミの国生みのお話をしました。「男女の合体で、なんで島が生まれるんや、そんなわけないやろ!」と思っているあなた、最初に言ったでしょ!書いてあることの真偽は考えないことって。とにかく、古事記にはそういうことが書いてあるんですね。「書いてあることが事実であり、真実か否かは考えないこと」これ、実は竹田恒泰さんのお言葉です。

 さて、今回は神生みの話です。これまた壮絶で、結構、モロ表現の箇所もありますのであらかじめお覚悟を・・・。
 神様は男女の合体以外に、いろいろな形態で生まれます。そんなところもご注目されると、より興味深く読めるかと思います。
 あっ、18歳未満は読んじゃダメよ~、ダメダメ~♡♡(ちょっと古い?) 

 

 

1.壮絶な神生みとイザナミの死

 国生みを終えたイザナギイザナミは休む間もなく(?)合体を重ね、今度は神々を生みます。再び、三度(みたび)、ウッフ~ン♥♡ 黄色いさくらんぼー♪♪
いやぁー、ホントにご苦労さん。17柱の神様を生みました。

 住居に関わる神     ・・・ 7柱
 海、河口に関わる神   ・・・ 3柱(綿津見神・おおわたつみのかみ 等)
 山、木、風に関わる神  ・・・ 4柱(大山津見神・おおやまつみのかみ 等)
 火、船、穀物に関わる神 ・・・ 3柱(火之迦具土神・ひのかぐつちのかみ 等

 (太字の神様は今後、重要局面で登場します)

 火之迦具土神
   ↓

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 さて、ここで大事件が起きます。イザナミは火の神である火之迦具土神を生んだことで女性器に深刻な火傷を負い病に伏します。しかしながら、母は強しなんでしょうか、
イザナミは病床で嘔吐し、糞尿を垂れ流しながら神生みを続けます。ゲーッ!そこまでやるってか!

 嘔吐物から2柱がうまれ、
 大便から2柱が生まれ、
 尿から2柱が生まれました。

尿から生まれた和久産巣日神(わくむすひのかみ)の子供が、後に天照大御神の食事を司る神として
伊勢神宮の外宮に祀られる豊宇気毘売神(とようけびめのかみ)なんです。
つまり、トヨウケビメイザナミの孫です。

 * 神様の名前がたくさん出て来ましたが、覚えなくていいですよー!


 そして、イザナギの懸命な看病の甲斐もなく、イザナミはついに亡くなります

 イザナギが涙を流して泣いていると、その涙から泣沢女神(なきさわめのかみ)が成りました。えっ、涙が神様? 言ったでしょ、いろんな形態で生まれるって。嘔吐物や糞尿からも生まれるのですから、涙なんて綺麗なもんです。

 イザナギイザナミの亡骸(なきがら)を出雲国伯耆国の境にある比婆之山(ひばのやま)に葬りました。

 むむ!? なんかおかしくねえか? やっと国生みが終わって、まだ神生みの最中に出雲国だとか、伯耆国だとか、比婆之山とか具体的地名が出てくるのは早すぎねぇか? まだ国土なんかできていないでしょうに。
 そうなんですね。ここおかしいですよね。気がついたあなた!素晴らしいです。私も最初に読んだときに思いました。あれれ?出雲国って大国主神が造ったんじゃないの?
でも、古事記は普通にスルーしてます。

2.イザナギの乱心

 イザナミを亡くしたイザナギの悲しみは募るばかりです。そして、その悲しみがなんということか、カグツチへの怒りに変わっていくのでした。

 「お前のせいで愛しいイザナミが死んだのだ、成敗じゃぁー!!

 イザナギは腰に帯びていた十拳剣を抜いて、な、な、なんと、カグツチの首を斬ってしまったのです。オーマイガッド! カグツチには何の罪もないのに、殿!ご乱心です!!
なんともオドロオドロしい話ですねー。恐いですねぇ~、恐いですねぇ~。(淀川長治風)

 この十拳剣を天之尾羽張(あめのおはばり)、または伊都之尾羽張(いづのおはばり)といいます。

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3.火之迦具土神の血から神が・・・

 首を斬られてしまったカグツチですが、斬られっぱなしではなかったんですね。

 飛び散った血液から8柱
 カグツチの遺体から8柱 の神が成りました。

 血液から成った神の中に建御雷之男神(たけみかづちのおのかみ)がいます。ご存じの方もいらっしゃると思いますが、この神様は、ずいぶん後に出てくる話ですが「国譲り」の段で大活躍をする神様で、茨城の鹿嶋神宮、奈良の春日大社に祀られています。

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4.イザナギイザナミを追って黄泉の国へ

 悲しみが癒えないイザナギは、「こうなったら、黄泉の国へ行ってカァちゃんを連れ戻すべ!」なんて思いついたのです。まだご乱心が続いてますね。

 えっ、ちょっと待った! イザナミは比婆之山に葬ったのに、なんで黄泉の国へ行くんじゃ? またまた気がつきましたね!素晴らしいです。これについても古事記は普通にスルーしていて、なにも触れていません。

 次回で私なりの意見を述べたいと思います。(ひっぱる~!)

 そして、もう一つ大事なポイントです。
 黄泉の国というあらたな世界が登場しましたよ。

5.今回のポイント

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①神様の成り方(生まれ方)にはいろんな形態がある。

 男女の合体だけでなく、嘔吐物、糞尿、涙、血液、遺体などからも神様が生まれてきましたね。オェー! でも、話が進んでいくと、もっといろいろ出て来ますよ。

②神様でも死ぬ。

 神様は死なないと思っていらっしゃった皆様、いいえ、死にます。イザナミは病死、カグツチは殺されてしまいました。ただ、外的要因では死にますが、自然死はないようです。そう、神様に寿命はありませんので。

③つじつまが合わない箇所がでてくる。

 今回に限らないことですが、じっくり読んで行くと話のつじつまが合わない箇所が散見されます。ここが学者さんの解釈が分かれる所ですが、爺さんはあまり肩肘を張らずに行きたいと思います。

④第三の世界である黄泉の国

 天上世界(高天原)、地上世界に加えて黄泉の国という第三の世界が出て来ました。詳しくは次回に。

6.まとめ

 さぁ、いかがでしたでしょうか。最後までお読みいただき、有り難うございます。

話が進んでいくと、出てくる神様の数が増えてきたり、話そのものが混み入ってきますね。
 でも皆さん、話はますます面白くなってきますから、しっかりついてきて下さいね!

次回は日本史上初の「夫婦喧嘩」の話ですよー。

それもかなり強烈です!! キャーッ!! 恐いですねぇ~恐いですよ~。

 


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