のと爺の古事記散歩

古希になった爺さんが勝手気ままに古事記を散歩します。

超入門古事記(10)八俣遠呂知退治~スサノオよ、君は変わった?

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 さてさて、高天原を追放になったスサノオは、「出雲国」の斐伊川上流の鳥髪という所に降りました。「出雲国」が出てくるのは二度目です。イザナミが葬られたのが「出雲国」と伯耆国の境の比婆山でしたね。まだ国土が安定していないと思われる時代に具体的な地名が出てくるのは何故なんでしょうか?私の考えは後ほど。


目次

  

1.櫛名田比売との出会い

 スサノオは、斐伊川の上流の鳥髪という所に降りました。すると、上流から箸(はし)が流れてきました。

 なんじゃ?箸か、ほなら上流には誰か住んでるんかの?

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 上流に上っていくと、老人と老女が、女の子を間に置いて泣いていました。

スサ「あんたら、誰や?」
老人「わしは、国つ神大山津見神の子で足名椎(あしなづち)と言いますだ。婆さん
  は妻の手名椎(てなづち)で、娘は櫛名田比売(くしなだひめ)ですだ。」

 *大山津見神はイザナギ、イザナミの神生みで成った山の神です。

スサ「なんで泣いとるん?」
足名「わしらには8人の娘がいたんじゃが、毎年、八俣遠呂知(やまたのおろち)がや
  って来て一人ずつ喰いよるんじゃ。ほんで、ついに娘は一人になってしまったんじ
  ゃが、またまた遠呂知がやって来る時期になったんじゃよ。オヨヨ。゚(゚´Д`゚)゚。」
スサ「その怪物はどんな格好しとるんじゃ?」
足名「言ってもいいけど、オシッコちびって逃げ出すなよ!
  目はほおずきのように赤く、頭と尾が八つ、身体には苔、檜、杉などが生え、大き
  さは八つの谷、八つの峰に渡り、腹を見るとことごとく血がにじんでるんじゃ。
  どや、ちびっちゃったか?」
スサ「ん~、オシッコどころか、ウ〇コ漏らしそうやなぁー。ところで、娘ちゃん、カ
  ワユイのぉー♥ 怪物をやっつけたら、わしの嫁にくれっけ?」
足名「いきなりかい!だいたい、あんたの名前すら知らんで!」
スサ「僕ちゃんはアマテラスの弟や!今、高天原から降りてきたとこやで。」
足名「ハハァー、そりゃ畏れ多いことや!あげます、あげます!」

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櫛名田比売

2.八俣遠呂知退治

 さぁ、いよいよ八俣遠呂知退治大作戦の開始です。

 まず、スサノオは娘を神聖な櫛に変えて、御みづらに刺します。なんとなんと、ハリーポッターやんけ!!

そして、足名椎、手名椎に命じます。
八度繰り返して醸造した強い酒を用意し、垣根を巡らせて、そこに八つの穴を開けて穴ごとに台を置き、それぞれに酒船(酒を入れる器)を置き、強い酒を満たして待ちんしゃい。」

 準備が整い、待っていると、足名椎が言ったとおりの姿をした八俣遠呂知が現れたのです! ジャジャーン! ギャオ-! ん?キングギドラみたいやー。

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 八俣遠呂知は八つの酒船にそれぞれ頭を突っ込んで、ガブガブと酒を飲み始め、やがて酒が回ってその場でぐっすりと眠ってしまいました。グーグームニャムニャ・・・。

 そこでスサノオは、十拳剣を抜いて寝ている遠呂知を斬り散らしました。トォーリャー! すると真っ赤な血がほとばしり、斐伊川は朱に染まったのです。(恐!)

 スサノオが尾っぽを切った時に何か堅い物に当たりました。ガチーン!!

「むむっ、なんじゃ? 怪しいべ!」

スサノオが中を覗いてみると、なんとも神々しい都牟羽之太刀(つむはのたち・非常に鋭い太刀)が出て来たのです。ホエーッ!

「こりゃ珍しい太刀じゃ、アマテラス姉ちゃんに差し上げっぺ!」と言ってアマテラス
に献上したのでした。この剣は後に草那芸之太刀と言われます。

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3.スサノオの新居

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 こうしてスサノオはクシナダと結婚し、出雲国に新居を建てるべと思い、須賀の地に
着いたのです。そして新居となる須賀の宮を建てました。
この地に来て、私の心はすがすがしい!」それで、今、この地を須賀と言うのです。
 洒落かーい!?

 須賀の宮を建てたとき、その地から雲が立ち上りました。そこで何をとち狂ったのか歌を詠んだのです。日本最初の和歌と言われています。

「八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣作る その八重垣を」
 
八重の雲がわきおこる出雲に、八重の垣根を、妻を籠もらせるために、八重の垣根をつくる。
 その八重垣よ。

 奥さんを守るために、家の周りに八重に垣根を作ったってこと、へぇー。

そして、足名椎を須賀の宮の首長に命じ、稲田宮主須賀之八耳神(いなだのみやぬしすがのやつみみのかみ)の名を授けました。

4.スサノオの系図

 スサノオとクシナダの間には八島士奴美神(やしまじぬみのかみ)が生まれています。また、スサノオが大山津見神の娘の神大市比売(かむおおいちひめ)を娶って生まれた子は大年神(正月にやってくる神)宇迦之御魂神(稲荷神)です。
 そして、八島士奴美神の子孫をたどっていくと、スサノオから六世孫に大国主神が生まれるのです。

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 さぁ、こうして古事記は、スサノオから大国主神を主人公にした話を展開していくことになります。

 スサノオは、ずっと後に、思わぬ場面で再登場しますのでお楽しみに!!

5.今回のポイント


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①出雲国はいつできたのか?
 
出雲国」という表現が初めて出て来たのは、イザナミが葬られた場所を記述した場面です。ここでは「伯耆国」も出てましたね。そして、今回の話で、出雲国の国つ神が大山津見神だということが分かりました。これらから推測すると、神生みで生まれた大山津見神が、イザナミが壮絶死する前までに出雲国を創始したのだと言えるのではないでしょうか。

②八俣遠呂知は斐伊川か?

 曲がりくねった斐伊川はいくつもの支流があり、時には氾濫を起こし人々を飲み込むこともあります。毎年、八俣遠呂知がやってくるということは、毎年氾濫が起きるということだと思います。そして、スサノオは氾濫を抑えたということから、治水の神様とも言われるようになるんですね。

③スサノオの作戦は卑怯か?

 酒を飲ませて酔ったところを襲うという作戦は卑怯か? このころは卑怯と言うより知恵を働かした作戦と言えると思います。古事記では同じような悪知恵がいくつも出て来ますよ。

④スサノオの性格は変わったのか?

 高天原であれだけの悪行三昧だったのに、出雲に降りたとたんにスッカリいい人(?)になっちゃいました。下心まる見えだったとはいえ、クシナダヒメを助け、八俣遠呂知をやっつけ、しまいには和歌まで詠んじゃってまるで文化人じゃ!
 でも、再登場の際は、まだ「悪」の部分が残っていることがうかがえますよ。

6.まとめ

 さぁ、いかがでしたでしょうか。最後までお読みいただき、有り難うございます。

今回でスサノオの話は一段落し、次回からは大国主神の話になっていきます。

 それにしてもですが、命がけで八俣遠呂知と戦いクシナダと結婚し、新居まで構えている一方で、神大市比売とも結ばれて二柱の子供をもうけている。ん~、このへんはどうなんでしょうねぇー。英雄〇〇を好む?

 でも、ご安心下さい。大国主神はもっとお盛んです。♡♡♡
 スサノオの比ではありません。

詳しくは次回以降で・・・。

 


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