のと爺の古事記散歩

古希になった爺さんが勝手気ままに古事記を散歩します。

超入門古事記(11)大国主神登場~因幡の白兎

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 さてさて、前回でスサノオの主たる話は一旦終わり、今回から、スサノオの六世孫の大国主神(おおくにぬしのかみ)が主人公になります。古事記には、この神様には大国主神以外に大穴牟遅神(おおあなむじのかみ)、葦原色許男神(あしはらしこをのかみ)、八千矛神(やちほこのかみ)、宇都志国玉神(うつしくにたまのかみ)という、全部で五つの名前があると書かれています。
 そして、なんの前振りもなく、いきなり大国主神(以下、オオクニ)の話が始まります。スサノオからオオクニまでの間の代々の神様は名前のみ書かれているだけです。

 

目次

 

1.唱歌・大黒様

 いきなりですが、大きな袋を肩にかけ~♪、という唱歌をご存じかと思います。若い方は知らないかな?学校でも教えていない? 私が知る限りですが、古事記の神様で唱歌になったのはオオクニだけです。

 唱歌「大黒様」は、作詞は石原和三郎、作曲は田村 虎蔵。1905年12月(明治38年)に「尋常小学校 第二学年」に掲載されました。

 凄いですね、なんと100年以上も前に作られたのです! そこで突然ですが、ご存じのみなさん、ここで歌ってみましょう。できれば声を出して。私、歌ってみて、自粛続きの時期だからでしょうか、なんかスッキリしましたよ。
 ん~、この歌、何十年ぶりだろう!


童謡 唱歌. 大黒様 [童謡歌手 内田由美子さん ]


1. 大きな袋を 肩にかけ 大黒様が 来かかると
 ここに因幡の 白うさぎ 皮をむかれて 赤裸
2. 大黒様は あわれがり きれいな水に 身を洗い
 がまの穂綿に くるまれと よくよく教えて やりました
3. 大黒様の いうとおり きれいな水に 身を洗い
 がまの穂綿に くるまれば うさぎはもとの 白うさぎ
4. 大黒様は 誰だろう 大国主命とて
 国を開きて 世の人を 助けなされた 神様よ

*4番は覚えていなかったですね~。

2.八十神求婚旅の出発

 さて、話を本題に戻しましょう。オオクニは、まだこの頃は大穴牟遅神と呼ばれていました。以下、オオナムジと言います。

 オオナムジには大勢の兄神(八十神:やそがみ 八十は実数ではなく、大勢という意味)がいました。その八十神が因幡国に八上比売(やがみひめ)というスーパーモデル級の女神がいると聞きつけたのです。

 八十神はザワつきます。
 「聞いたかや?菜々緒ちゃんみたいな美人らしいぜ!」
 「えっ、菜々緒ちゃんは乙ちゃんやろ?」
 「お前、CMの見過ぎや!」
 「会いたいなぁ~、結婚したいなぁ~♡」
 「アホッ!結婚するのはワシじゃ!」
 「んにゃ、ワシじゃ!」
 「なにを言っとる!ワイに決まっとるやないけ!」

 ということで、ケリがつかないので、皆で会いに行って求婚し、誰がいいか選んでもらうべ!という神様の割には全く頭を使わないベタな作戦に出ました。
 そして、この求婚の旅一行に荷物持ちとしてオオナムジを連れていったのです。

3.因幡の白兎

 古事記には「稲羽の素菟」と書かれていますが、ここでは分かりやすく、「因幡の白兎」とします。

 一行が気多の岬に着いたとき、赤裸の兎が倒れていました。そこで八十神は「海水を浴びて風に当たり、山の峰の上で横になっておれ。」と言って立ち去ります。

 兎がその通りにすると、風に吹かれた皮膚にひびが入り、ますます痛みが激しくなったのです。そこに、遅れてきたオオナムジが通りかかります。

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オオ「あんたはん、なに泣いてんのや?」
うさ「わては隠岐の島生まれなんやけど、なんとかして本土に来たかったんや。ほんで
  な、サメをだまして、うさぎとサメのどっちの一族が多いか数えてみんべ、さめく
  んの一族を本土までずらっと並べてみーや。その上をわてが飛んで数えるさかい、
  と言ったんや。」
オオ「ほんで、どないなった?」
うさ「あと一歩で成功というとこでわても油断したんやなぁ、まんまと欺されやがって
  と言ってしまったんや。」
オオ「ほんで、ほんで?」
うさ「最後の一匹に噛み付かれて、皮を剥がされてしまったんや。そしたら、さっきな
  八十神が通られて、かくかくしかじか・・・。痛くて痛くてたまりませーん!」

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オオ「そりゃ、自業自得やな。ほな、さいなら、お大事に。」
うさ「ちょっと待ったー!! ダメでしょ、わてを助けなきゃダメでしょっ!」
オオ「そうなん?」
うさ「ここでわてを助けなきゃ、話が続きませんのや。ちゃんと助けてーな!」
オオ「マジすか、そしたら、今すぐに河口に行って淡水で身体を洗い、河口に生える蒲
  の穂の花粉を取って敷き、その上に転がればあんたの肌は元のように直るでー。」

 オオナムジの言う通りにすると、あら不思議、兎はもとの白兎に戻ったのです。

 この逸話により、オオナムジは「医療の神」とも言われ、この兎はのちに「兎神」と
言われるようになります。

4.白兎の予言

 白兎はオオナムジに言います。

「八十神は八上比売を得られず、今は袋を背負っていますが、あんたが必ず比売と結ばれるでしょう。」

 この予言はズバリ、ジャストミート! 神通力がある兎だったのですね。

 実際、八十神が八上比売に求婚すると、比売は八十神に言ったのです。

「あんたたちの嫁にはならんでぇ-! オオナムジちゃんと結ばれまぁーす!

5.オオナムジ殺害計画

 八上比売に振られてしまった八十神は、オオナムジに怒りをぶつけます。

「もう、アイツ、殺してしまえーっ!」
「で、どうやるん?」
「ひそひそ、むにゃむにゃ」
「なるほどー、そりゃええなー!」

さぁ、オオナムジの運命やいかに・・・。

6.今回のポイント

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①古事記には「八」が多用されています。
 
八十神の「八十」は実数の80ではなく、数が多いという意味で使われています。古事記では「八」は縁起のよい数とされています。上比売、百万、大島、咫鏡、尺瓊勾玉など、多数あります。

②兎がだました相手はサメと思われます。
 
古事記原文には「和邇(わに)」と書かれていますが、もともと日本にはクロコダイルは生息していないので、サメのことと解釈されています。

③兎もただ者ではなかった。
 神通力のある兎で、八上比売はオオナムジを選ぶことを予言した。尚、のちに菟神として祀られます。

④オオナムジが背負った袋の中身は何?
 
八十神がオオナムジを連れていったのは、身分の低い者の仕事とされていた「袋担ぎ」をさせるためで、袋の中身は「旅支度の品々」だと思われます。

7.まとめ

 さぁ、いかがでしたでしょうか。最後までお読みいただき、有り難うございます。

 神話のスーパーヒーローであるオオナムジが登場しました。いわゆる「出雲神話」が

始まります。(八岐大蛇の話も含めて出雲神話という解釈もあります。)

 オオナムジ(オオクニ)という神様は本が数冊書けるほどの謎が多い神様です。そんな一端を感じていただけるような記事を書いていきますので、引き続き読んでいただけると嬉しいです。

 では、次回をお楽しみに!!

 


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