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さて、本題に入りましょう。
スサノオの試練はまだまだ続きます。さぁ、オオナムジよ、どうする!?
目次
1.スサノオの頭はデカイ?
スサノオの野火攻めを克服したオオナムジでしたが、再びスサノオに八田間大室(やたまのおおむろや)という、広くて大きな部屋に呼び入れられます。
「わしの頭にシラミがおるんじゃが、取ってくれんかのー。」
オオナムジがスサノオの頭を見ると、そこにいたのはシラミではなく、ムカデが多くいたのです。ムカデをシラミと言うということは、相当デカい頭なのか?
オオ「スセリちゃん、どないしよ!わし、虫きらいやねん。」
スセ「蛇もきらい、虫もきらい、しっかりせんかい! この椋(むく)の木の実を噛み
砕き、赤土を口に含み吐き出せば、ムカデを噛み砕き吐き出していると思い違いを
するで。」
オオナムジがスセリの言うとおりにすると、スサノオは「なかなかやるじゃん。」と
勘違いして気分がよくなり、眠りこんでしまいます。ムニャムニャ・・・。
2.根之堅州国からの大脱走
今がチャンスとばかり、オオナムジはスサノオの髪を束ねて部屋の太い柱にくくりつけ、きつく縛ります。そして、部屋の入口を巨大な岩で塞いで、スセリを背負って脱出します。弾よりも速く、全力疾走、トーリャー!!
「ついでに、生太刀(いくたち)と生弓矢(いくゆみや)と天の沼琴(ぬこと)も貰ってくべ!」
生太刀と生弓矢は、生き生きとした生命にあふれた弓矢でスサノオの武力を象徴し、天の沼琴は占いに使う道具で宗教的権威を象徴するものです。
ところが、オオナムジはうっかり、琴の弦を木の枝にひっかけてしまいます。
「がんがらがーん!!」
大きな音でスサノオが目を覚まします。二人が逃げるのに気がつき、追いかけようと立ち上がりますが、髪が柱に縛られているので走れません。「なんじゃこりゃー!!」スサノオは松田優作になってしまいました。
どうにか髪をほどいて追いかけ、黄泉比良坂まで来ましたが、二人の姿は遙か遠くでした。スサノオはこう叫びます。
「その生太刀と生弓矢で八十神を山裾に追い伏せ、川瀬に追い払い、やっつけろよ!そして、お前は大国主神となり、また宇都志国玉神となって国を作り、我が娘のスセリビメを正妻として、出雲の山の麓に地底の石を土台にして太い柱を立て、天空に千木を高く上げて壮大な宮殿を建てるんじゃ!わかったか、このやろめー!!」
遙か遠くにいる二人に言うには長くねぇか?聞こえねーべさ。
オオナムジの五つの名前のうち、三つはスサノオが付けたのだと分かりましたね。
最初に会った時に葦原色許男と言い、今度は大国主神と言い、宇都志国玉神と言ってますね。葦原中国を治める男だ、大きな国の主になるやつだ、現国(うつしくに)の魂となるやつだ。こんだけ持ち上げられたら、オオナムジもプレッシャーが半端ねえー。
ということで、これからは大国主神(オオクニ)と呼ぶことにします。
3.国作りと女の戦い
オオクニは生太刀と生弓矢で八十神を山裾に追い伏せ、川瀬に追い払い、初めて国作りを始めたのです。
ところで、皆様、八上比売を覚えていますよね。オオクニと結婚して子供が生まれ、出雲に住んでいたのですが、そこにオオクニがスセリビメを連れて帰ってきたのです。さぁ、女の戦いの始まりですよー!恐いですね、恐いですよー。
スセリがオオクニに言います。
「なによ、あなた! 妻子がいたなんて聞いてないわよ、どういうことやねん!」
オオクニがおそるおそる答えます。
「いや、なに、これには何というか、深いわけが・・・。兎がサメにパピプペポでハマヤラワ・・・。」
「なにわけわからんこというとんねん。あんたの本妻はわたしやでー、わかっとるんかい、!!」
恐いですねー。八上比売はスセリの余りの恐さに、自分の生んだ子を木の又に差し挟んで因幡に帰ってしまいました。それで、その子を木俣神(きまたのかみ)といいます。これはこれで恐い話ですよねー。
4.懲りないオオクニ
女の戦いを眼前にしながらも、オオクニは全く懲りていません。高志国(こしのくに北陸)に沼河比売(ぬなかわひめ)という美しい姫がいると聞きつけると、早速求婚するためにヨダレを垂らしながら出かけていきます。ズズー、デレデレー・・・。
比売の家に着くと、なんと歌を詠むのです。ちょっと長いんですが、要は「私こと、八千矛の神は、高志国に賢く美しい姫がいると聞き、出かけて来たんよ。ずーっと立ちっぱなしやさかい、中に入れてちょ!」
自分で自分を八千矛の神(武神の意味か)と言ってるんですね。
これに対し沼河比売も歌で返しています。要は、「いずれあなたのものになるけど、今夜はだめよ~、ダメダメ!」まぁ、焦らしたということなんでしょうか。
これが、男女の問答歌の始まりと言われています。(ちょっとめんどくさ・・・)
結局、翌日の夜には二人は結ばれ、合体!!♡♡
5.スセリヒメの嫉妬
またまた、スセリは激しく嫉妬します。一見、困った風のオオクニですが、今度は出雲から大和国へ行こうとします。
身支度をし、片手は馬の鞍にかけ、片足を鐙(あぶみ)に入れながら長々と歌います。そしてスセリが返歌をします。多分、こんな感じです。
オオ「私は、国作りのため、各地を回って権力者と手を結んでいるんじゃ。」
スセ「うっそー、ただ女が好きなだけじゃないの? あなたは男だからあちこちに女を
作っていい気になっているけど、私は女だからどこにも行けない。あなただけが~
生きがいなの~、お願いー、お願いー、捨てぇなーいで~♪♪」
オオクニは大和行きを取りやめます。そしてスセリと酒を酌み交わし、夜には合体!
またかよ、おつかれさまです。
6.オオクニの妻子
オオクニは、このほかにも妻を娶り、子を設けています。古事記にはその系譜が書かれていますが妻は6人です。子供は一説では180人と言われていますが、系譜では6人ですね。事代主神と建御名方神は国譲りの段で登場します。そして、子供が180人と言われた根拠も出て来ます。
7.今回のポイント
①周囲に助けられてばかりいたオオクニも、最後は自力を出した。
二度も殺され、自分では何も解決してこなかったオオクニも、試練を乗り越えてついには自力で根之堅州国からの帰還を果たした。やっとこれで国作りができそうだ。
②根之堅州国と黄泉の国は異なる国だと分かった。
同じ地下世界の国であるが、根之堅州国には黄泉の国のような魑魅魍魎はいません。また、帰還したオオクニはイザナギのように禊ぎをしていません。これらのことから異なる国と考えるのが普通の解釈と思います。
③オオクニがあちこちの比売を娶るのは国作りなのか?
ただの女好きなのか?地方の権力者の比売と結婚するということは、その国と手を結ぶということの象徴と考えられています。
④男女の問答歌を記載した意味は?
私は数えていませんが、古事記には112首の歌が収録されていると言われています。古事記は、歴史書であると同時に芸術性の高い文学作品だという考え方もあります。
8.まとめ
さぁ、いかがでしたでしょうか。最後までお読みいただき、有り難うございます。
あの、頼りなかったオオクニも成長を見せ、女子にもまめにアタックし、いよいよ国作りが本格化していきます。そして、その先にあるのが国譲りというクライマックスです。どうぞ、お楽しみに!!
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