のと爺の古事記散歩

古希+4歳になってしまった爺さんが勝手気ままに古事記を散歩します。

超入門古事記(20)~海幸彦・山幸彦物語

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 木花之佐久夜毘売の父親は、イザナギ、イザナミの神生みで成った大山津見神です。
実は、これまでにもオオヤマの子供だとして登場した神様がいます。お分かりでしょうか? あっ、分からなくても大丈夫ですよ、神様の名前は覚えなくていいのですから。

・八岐大蛇退治で出て来た櫛名田比売の父親の足名椎
・大年神、宇迦之御魂神を生んだスサノオの妻の神大市比売
木花之佐久夜毘売石長比売

 これらの神様は、多分、母親は違うと思いますが、父親はオオヤマですから兄弟姉妹ということになります。そしてイザナギ、イザナミの孫ということですね。
ん~、コノハナは容姿端麗というけど、いったい何歳なんだろう? 
 あっ、神様には年齢はないんでしたっけ・・・。てへっ!

 失礼しました。本題に入りましょう。

 

目次

  

1.海幸彦と山幸彦の道具の交換

 コノハナが生んだ三柱の息子の内、長男の火照命は「海の獲物をとる男」という意味の海佐知毘古(海幸彦)として海で大小の魚を獲っていました。また、三男の火遠理命は「山の獲物をとる男」という意味の山佐知毘古(山幸彦)として山で獣を獲っていました。ある日、ヤマサチはウミサチに言いました。

ヤマ「にいちゃん、たまにはお互いの道具を交換してみっぺよ!」
ウミ「そたらことして、なんの意味があんだ?」

この同じやりとりが三回続きますので、以下省略。

 あまりにヤマサチがしつこいので、ウミサチはしぶしぶ交換に応じます。二人(柱)は交換したお互いの道具で魚や獣を追いかけますが、結局何も獲れませんでした。そのうえ、ヤマサチは兄が大事にしていた釣り針を海でなくしてしまったのです。

ウミ「やっぱり、自分の道具でなきゃダメだっぺ。釣り針返せや!」
ヤマ「それがあのぉー、にいちゃん、ごめん。海で失くしてしもたんや!」
ウミ「なにーーーー!だから最初からやだったんだよ、どうすんだよー!(怒)」

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 ヤマサチは自分の十拳剣を打ち砕いて釣り針を500本、1000本と作って渡そうとしましたが、ウミサチは受け取らず、元の釣り針を返せとの一点張りでした。

2.塩椎神のお助け

 ヤマサチはどうすることもできず、海辺で泣いていました。するとそこへ、潮の流れを司る塩椎神(しおつちのかみ)が現れました。

シオ「なんで泣きはる、泣いてぇはる~♪」(フランク永井、知ってますか?)
ヤマ「かくかくしかじか、あめあられ・・・。」
シオ「よっしゃ、まかしとき!」

 シオツチは竹籠で小舟を作りヤマサチを乗せ、次のように言いました。

シオ「この船に乗って潮の流れの通りに行けば、綿津見神(わたつみのかみ)の宮殿が
  あるでよ。宮殿の門のかたわらの井戸の上に桂の木がある。その木の上に座って待
  っておりゃー、海神の娘が助けてくれるでよ!」

*綿津見神はイザナギ、イザナミの神生みで成った海の神です。

 ホオリ(ここからはヤマサチをホオリといいます)が言われたとおり進んで行くと、桂の木があったので、そこに座って待っていました。

3.綿津見神の娘とご対面

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 海神の娘である豊玉毘売(とよたまびめ)の侍女があわてて走って報告に来ます。

「ひめさまー!たいへんでおじゃります、桂の木の上にイイ男がいまっせ!」
なに?イイ男だ?今度はヒメがヨダレを垂らしながら、すっ飛んで見に行きます。
「まぁー、ほんとだわ、イイ男、福山じゃないの?」ホオリを見たヒメは一目惚れしてしまい、父の綿津見神に報告します。
 そう、今度はヒメの方が一目惚れなんですね。福山ばりのイイ男じゃ無理ないか!

4.綿津見神の大歓迎

 ヒメの話を聞いて、今度はワタツミが自ら門の所へ出て行きます。
「この方は天津日高の御子の虚空津日高(そらつひこ)じゃあ~りませんか!」

 ホオリが天つ神の御子であることを見抜いた海神は、飲めや歌えやの大歓迎です。
そして、ついにはホオリとトヨタマを結婚させたのです。

 それから、ホオリは、なんと三年間もこの宮殿で暮らしました。

まるで天国じゃー!!

天国よいとこ一度はおいで、酒はうまいし~!ふぁっふぁー♪♪

 おーい、釣り針を探しに来たんじゃないんかい!? どうすんだよー?

5.今回のポイント

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①綿津見神の宮殿は海底、または海上?
 
ホオリが、塩椎神の作った舟で潮路に乗っていったら、海神の宮殿に着いたとあるだけで、それが海底なのか、海上なのかはハッキリ書いてありません。ただ、海底と考えるのが自然かなと思います。
 しかしながら、山幸のホオリが、なぜ3年も海底で暮らせたのかは分かりませんね。神様だから、といったらそれまでですが・・・。

②アマテラスの血統が繋がっていく。
 
アマテラスの血はニニギへ繋がり、その子であるホオリに繋がっていきます。そしてホオリは、山の神の娘を母に持ち、今度は海の神の娘を妻としました。つまり、ここで天つ神+山の神+海の神の最強の血統ができあがったのです。

6.まとめ

 さぁ、いかがでしたでしょうか。最後までお読みいただき、有り難うございます。

釣り針も見つけずに、3年も海の宮殿で過ごしてしまったホオリの運命やいかに。

次回をお楽しみに!!

*私に古事記を読むきっかけを作ってくださった師匠の「ようさん」(私が勝手に門下生と思っています)がYouTubeで古事記の話をしています。みなさん、是非ごらんになって下さい。

「古事記スピーカーようちゃんねる」

 


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