のと爺の古事記散歩

古希+4歳になってしまった爺さんが勝手気ままに古事記を散歩します。

超入門古事記(27)ヤマトタケル熊曽征伐~史上初の女装作戦

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 熊曽征伐を命じられたオウスは、九州に向かう途中で伊勢に立ち寄ります。そこにはアマテラスの御杖代(みつえしろ・奉仕者)である倭比売命がいます。倭比売命は景行天皇の妹ですので、オウスから見ると叔母さんに当たります。そしてオウスは比売から衣装を賜るのですが、この衣装を使って討伐の作戦を既に考えていたのかどうかは書かれていません。もしそうであれば、オウスは少年でありながら、相当な策略家だったと言えるのではないだろうか、なんてね!少し真面目なコメントでした!

 

目次

 

1.熊曽家に女装して侵入、熊曽兄を刺殺

 九州の熊曽建の家に着くと、まさに家の新築の宴をしようと準備の真っ最中でした。そこで、オウスは宴の日まで待つことにしました。

 そしてついに宴会の日、オウスは若い女性のように結んだ髪をたらし、倭比売命から借りた女物の衣装をまとい、すっかり、燃えろイイ女に変装して新築の家にまんまと入り込んだのです。

 熊曽建兄弟は、童女に変装したオウスをすっかり気に入ってしまい、二人の間に座らせて宴を楽しんでいたのです。かわゆいねー、こっちゃこい♥とか言って鼻の下を伸ばしていたんですね。

 そしてそして、宴もたけなわになったころ、オウスは懐から剣を出して、熊曽兄の着物の襟をつかみ、胸を突き刺したのです。ギャーッ!まるで必殺仕事人!?

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*ちなみに、宴もたけなわとは、宴が一番盛り上がっている場面や宴の盛り上がりが最高潮の場面のことをいいます。たけなわを漢字で書くと「」、つまり、酒がだんだん発酵してきて甘さが最高になっている、という意味です。
 どうです、爺さんのブログもたまには勉強になっぺ! えっ、そんなこと知ってた? もしかして天才!?

2.逃げる熊曽弟、追うオウス(しゃれではありません)

 兄が殺されるのを見た熊曽弟は逃げ出しますが、オウスはすぐに追いつきます。そして、その背中をつかみ、剣を尻から突き刺し通したのです。いってーっ!!

クマ「イデデ、イデデ、イデデ、イデデ、イデデエオー、ちょっと待ちーな、あんたは
  強いなー、いったいどなた様でおじゃりますか?」
オウ「わしゃ、景行天皇の息子じゃ、天皇の命令で貴様らをやっつけに来たんじゃ!」
クマ「さよですか、大和には我々よりも強いお方がいらっしゃったんですねー。これか
  らは倭建御子と称えましょうぞ!」

 熊曽弟がこう言い終わると、オウスは熊曽弟の体を切り裂いて殺してしまいました。
相変わらず、やることが残酷ですね。

 そして、この時から倭建命と名乗るようになったのです。なんと、ヤマトタケルの名付け親は熊曽弟だったんですね!

3.出雲建も征伐してしまった

 熊曽征伐を終えて大和へ帰る途中、出雲建もやっつけるべ、と思ったヤマトタケルは出雲国へ入ります。そしてすぐに出雲建と友達(のふり)になります。

 ヤマトは密かに樫の木で偽の太刀を作り、それを腰に差して、出雲建と斐伊川に沐浴に出かけます。そして、先に河から上がったヤマトは、お互いの太刀を交換して太刀あわせをやるべ、と提案し出雲建の太刀を持ちます。

 出雲建は河から上がるとヤマトが作った偽の太刀を持ちます。それぞれが太刀を抜こうとしますが、出雲建は偽の太刀であるため抜くことができません。そのすきに太刀を抜いたヤマトは出雲建を打ち殺してしまいます。こりゃ卑怯者じゃろ!?

 こうして平定を成し遂げたヤマトタケルは意気揚々と都へ帰り、天皇に戦果を報告したのです。

「やったぜ、とうちゃん!なんかご褒美ちょうだいませませ~♪」

 これに対してとうちゃんは・・・・。 

続きは次回ですよー!

4.今回のポイント

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①ヤマトタケルの性格をどう思いますか?
 
兄のオオウス、熊曽兄弟、出雲建らを殺戮したのですが、冷徹、残酷、非道といえるもので、現代人の感覚では共感の持てるものではありませんね。強いて言えば、まだ少年であるヤマトが、親である景行天皇に認めて貰うために必死だったのでしょうか。
 そして、この少年がやがては古代のヒーローとなり、第14代仲哀天皇からの後世の天皇は彼の血統にあるのです。

②なぜ、女装作戦に出たのか。
 
今も昔も男は女に弱い、ということなんでしょうが、私の個人的な考えは、アマテラスの力(ちから)が欲しかったのではないかということです。わざわざ伊勢に立ち寄ったのはそういう意味があり、御杖代である倭比売命からもらった衣装にアマテラスの力がこもっていると考えたのではないでしょうか。

5.まとめ

 さぁ、いかがでしたでしょうか。最後までお読みいただき、有り難うございます。

 ヤマトタケルの話はまだ始まったばかりです。これから長い戦いの旅と悲劇が待ち受けています。さぁ、どうなるんでしょうか。恐いですねー、恐いですよー!!

 


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