茨城県古河市に雀神社(すずめじんじゃ)という、ちょっと可愛らしい名前の神社があると知り、行って来ました。ネットで見てみると何人かの方が同神社の参拝記を書かれています。ん~、なるほどー。とりあえず行ってみっか!となった次第です。
1.場所
ここです。
2.御由緒と御祭神
創立は不明ながら、伝承によれば清和天皇の貞観元年(859年)、出雲大社から勧請されたという。御祭神は大己貴命、少彦名命、事代主命の三柱の神様。社名は鎮めの神が訛って鎮め⇒雀になったと言われる。室町時代、初代古河公方・足利成氏以来、歴代の古河城主に厚く信仰され、江戸時代には幕府から15石のご朱印地を与えられている。
当社のHPは無いようですので、古河市観光協会の案内を参考にご覧下さい。
3.参拝
通りの名前は分かりませんでしたが、住宅地の細い道路に面して大きなケヤキが立っており、その内側に一の鳥居があります。
このケヤキは樹齢300年といわれ、ご神木にもなっています。確かに凄い迫力で、樹木と言うより岩に近い感じ。左側のものはもともとの二本が一本に合体したもので、夫婦欅とも言われており、古河市指定の天然記念物になっているそうです。
鳥居の経年に比べ、扁額は新しいように見えます。そして「正一位雀大明神」と書かれています。む?、正一位? (詳細後述)
鳥居をくぐってまっすぐ行くとまもなく右に90度曲がりますが、その曲がり口に獅子山の狛犬があります。年代不明ですが、かなり古そうです。そして表情がユニークですね。ブサカワ?
その先、すぐ右手に手水舎があります。水盤には龍と桃、足元は俵でしょうか、彫り物があります。こういうのは珍しいですね。水は出ていません。柄杓もなし。そして、二の鳥居です。ここも扁額が新しめで「正一位雀大明神」とあります。
鳥居をくぐると真正面が拝殿です。拝殿前の狛犬もユニークな表情ですね。胸には元禄の文字が見えます。古!
4.拝殿
現在の社殿は慶長10年(1605年)の造営です。
5.本殿
保護屋根が設置されています。
6.境内社
〇松尾神社
〇第六天宮、楯縫神社
〇三峯神社
7.正一位とは
さて、上述の通り鳥居の扁額に「正一位雀大明神」とありますが、これに関し私見を述べます。あくまで私見であり、意見には個人差があることを前提に読んで下さい。
ご存じの方も多いと思いますが、「正一位(しょういちい)」とは、朝廷から神様とその神様を祀る神社に与えられる神位で、私は俄勉強で詳しくはありませんが、正六位から正一位まで15ランクがあるそうです。そして、その最高位が正一位なんですね。要は、神様(神社)のランク付けなんですが、この制度は明治時代に廃止され、現在でも正一位を名乗る神社がありますが、この名残なんだそうです。
正一位の神社は春日大社、鹿島神宮、伏見稲荷大社、大神神社、上賀茂神社等22社あるそうです。また、これらの分霊先については稲荷神社を除き、正一位を認められていません。
なぜ稲荷神社だけは分霊先でも正一位を名乗れるのか。鎌倉時代に後鳥羽天皇が伏見稲荷大社を参拝された折、分霊先でも正一位を名乗ることを許可したことから、各地の稲荷神社が名乗るようになり、いまでは稲荷神社の別称のようになったということです。そういえば、稲荷神社では朱い幟に正一位と書いてありますね。
さて、話を戻しますが、正一位雀大明神はどうなんでしょうか。
・正一位神社に雀神社は記録されていません。
・出雲大社から分霊したからとしても稲荷神社以外は分霊は認められておらず、仮に認められたとしても杵築神(きづきがみ・大国主命)を祀る出雲大社は正二位です。
ただ、ご朱印地石碑には正一位雀大明神とあるので、なんらかの理由があるはずです。
ちなみにですが、アマテラスを祀る伊勢神宮はどうかというと、神階を超越した別格であるためランクはつきません。朝廷といえども皇祖神にランク付けなんて畏れ多くてとてもできない、ということなんでしょうね。そりゃそうだ。
とにかく、社務所で聞いてみっぺ!と思い行ってみたらなんとなんと。
えぇー、聞いてないよ~、2時間かけて来たのにー。諸用?所用じゃないの?どっちでもいいのか。いずれにしろもう少し綺麗に書きなよ、紙が汚れてるよ、なんてことが頭の中をグルグル・・・。
ということで、正一位の疑問解消も、ご朱印をいただくこともできませんでした。
8.まとめ
さぁ、いかがでしたでしょうか。最後までお読みいただき、有り難うございます。
少しばかり消化不良の参拝になりました。もう一度来るかというと、多分、来ないと思います。本当に私の個人的印象ですが、境内の空気が暗いです。それは、社殿を含め建築物などが古いというだけではなく、参拝者を迎えるという雰囲気が感じられないのです。コロナ対策だと思いますが、手水舎に水、柄杓なし。でも拝殿には鈴緒がある。掲示板の文字が劣化して全く読めない、由緒板屋根がボロボロ・・・。
良く言えば自然のままに、悪く言えばほったらかし?(失礼!)
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