のと爺の古事記散歩

古希+4歳になってしまった爺さんが勝手気ままに古事記を散歩します。

古事記の神様と神社(8)

 

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上総国一宮 玉前神社(ネット検索)

玉依毘売と玉前神社

 さて、前回のトヨタマヒメの話の続きになります。トヨタマヒメはホオリが産屋を覗いたことを恨みはしたものの、やはり旦那が恋しい気持は変わらなかったのです。子供の養育というかかわりに託して妹の玉依毘売(タマヨリヒメ)にことづけて歌を差し上げます。
 「赤玉は 緒さえ光れど 白玉の 君が装し 貴くありけり」
そしてホオリもこれに答えます。
 「沖つ鳥 鴨著く島に 我が率寝し 妹は忘れじ 世の悉に」

 要するに、「あなた、恋しいわ ♡」「わしも一緒に寝た妻を忘れんぞ!」という感じですね。まぁ、好きにすればよろしいんじゃないでしょうか。ホオリはその後、高千穂宮に580年住んだそうです。いくらなんでも、ながっ!

 肝心なのはタマヨリヒメです。トヨタマヒメが置いてきたウカヤフキアエズの養育担当として遣わされたのです。「まったく、トヨタマ姉ちゃんは好き勝手しておいて、なにがあなた恋しいわだよ。わたしゃもう責任重大で大変なんすから!」

 タマヨリヒメは陰日向なくウカヤフキアエズを養育し、結局、フキアエズと結婚し、4人の子供をもうけます。甥っ子と結婚したと言うことですね。どうでしょうか、現代ではレアでしょうが、当時はそうでもなかったのでしょうね。あれっ、現代では甥っ子と結婚できるのでしょうか?よく分かりませんが・・・。

 で、とんでもなく大事なのは、この末子の若御毛沼命(ワカミケヌノミコト)が別名を神倭伊波礼毘古命(カムヤマトイワレビノミコト)といい、なんと、後に初代天皇である神武天皇になられるお方なんです。

 ジャジャーン! 文句を言いながらやって来たタマヨリヒメですが、なんと初代天皇の生母として歴史に名を残すことになったのです。すごいですねぇ~。

 このタマヨリヒメを祀る神社は数ありますが、その一つに上総国一宮玉前神社があります。ここではタマヨリヒメは縁結び、子授け、安産の神として信仰されています。古くは源頼朝夫人の政子が懐妊のときに安産の祈願をしたという言い伝えがあるそうですよ。

 ニニギ以降の人間(いや、神か?)関係が分かりづらいので系図にしました。

 

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 これで大体お分かりいただけると思います。

 ところで、気がつかれた方もいらっしゃると思いますが、トヨタマヒメの本来の姿が和邇(わに、当時はサメ)でしたよね。ということは、フキアエズ、そしてその子のカムヤマトにサメの血統が引き継がれている??!!
 天皇の血統にサメの血がぁーーー! オーマイガッド!
まぁ、あくまでも神話ですから。冷静に、冷静に。

ではでは今回はここまで。次回は誰にしたらよかんべ。


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