のと爺の古事記散歩

古希+4歳になってしまった爺さんが勝手気ままに古事記を散歩します。

古事記の神様と神社(9)

 

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日向三代と霧島神宮

 ここ三回に亘ってお話ししてきた、ニニギ、ホオリ、ウカヤフキアエズを日向三代(ひむかさんだい)といいます。この三代の具体的事績について古事記にはほとんど書かれていません。ではこの時代の意義は何だったのでしょうか。
    後に神武天皇となるイワレビコノミコトは45歳の時、まだ東征に出る前ですが、子供や兄弟にこう言ったのです。

 「天孫が降臨されてから、179万2470余年になる。」(日本書紀より)
 えーっ、マジすか? 三代で180万年、一人60万年?? いやいや、さすがにそれは無理でしょ、いったいどないなってまんねん。こんな長い間、この三代は何をしていたんでしょうか。書いてないんですね、これが。ただヒメ神を追っかけてたことしか。
まぁ、子孫を残すにはそれも大切なことかも知れませんがね。
 一つ言えることは、この時代から天つ神御子には寿命が与えられ、その子孫の歴代天皇にも寿命が与えられることになります。日向三代は、神の世から人の世へと移行する過渡期だと考えれば、神から人に成った時代だということになるのかも知れません。ただ、ずっと後に出てくるヤマトタケルは死後、白鳥になりますからまだ半分は神様ですよね。微妙な話です。

 この三代を祀っているのが鹿児島県にある霧島神宮です。御主神がニニギで、相殿神がコノハナ、ホオリ、トヨタマヒメ、フキアエズ、タマヨリヒメ、カムヤマトと、なんだかまとめてドン!みたいですが、一族総出で祀られています。では、なぜ霧島なのかということですが、古事記によればニニギは「筑紫の日向にそびえる高千穂」に天降ったのです。この高千穂が九州南部の霧島連峰の高千穂峰と言われているんですね。(宮崎県高千穂町という説もあります。)
 では、大和でもなく、出雲でもなく、なぜ高千穂に天降ったのかという疑問もあるのですが、よく言われるのが筑紫の日向がアマテラスの生まれた地だから、という説ですね。確かにイザナギが禊ぎをし、アマテラスが成った地ですから、なんとなく説得力がありますね。
 霧島神宮では毎年11月に天孫降臨御神火祭が行われます。これはニニギの降臨の際に道しるべとして御神火を焚いてお迎えしたという故事に由来するものです。ん~っ、よく分かりませんが、案内役の猿田毘古神(サルタビコ)あたりの忖度で、事前に降臨を予告していたんでしょうか。まぁ、細かいことは言わず、一度見てみたいですね。

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 さて、このシリーズも次回が10回目となりますので、最終回にしたいと思います。
そして、最後は神武天皇の登場です。どうぞ、お楽しみに!!


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