前々回、鉄砲洲稲荷神社の記事で、東京で有名な稲荷社として王子稲荷神社の名前を挙げました。で、はたと考えました。王子神社は過去に参拝したことがあるけど、王子稲荷神社はなかったな。ほんとにメジャーなのかちょっくら行ってみっか。てなわけで行ってきました。東京都北区王子にある王子稲荷神社です。
1.場所
ここです。
2.ご由緒とご祭神
康平年(1058~1065年)中に征夷大将軍、源頼義により「関東稲荷総司」の称号を頂く。小田原北条氏についで、徳川将軍家代々の祈願所と定められてきた。現在の御社殿は十一代将軍家斉公により新規寄進されたもの。落語「王子の狐」の舞台でもある。
(東京都神社庁より)
ご祭神は
宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)・・・稲荷神
宇気母智之神(うけもちのかみ) ・・・日本書紀に出てくる保食神
和久産巣日神(わくむすびのかみ) ・・・イザナミの尿から成った生成の神
※残念ながら、これほどの歴史ある神社なのにHPが見当たりません。
3.王子狐の行列
王子には古くから、大晦日に各地から集まった狐が大きな木の下で装束を整えて王子稲荷神社に列をなして初詣に行った、という伝承があります。その木の下に集まる様子を描いた歌川広重の浮世絵、その木の脇に祀られた社が「装束稲荷」です。
現在でも装束稲荷から王子稲荷神社まで、大晦日の狐火を再現し狐に仮装した行列が地元のイベントとして実施されているとのこと。除夜の鐘を合図に出発するんだとか。ん~、見てみたいけど、ちょっと怖い。但し、ここ数年はコロナ禍で中止しているようです。
詳しくはこちら。
▼装束稲荷神社
王子駅から徒歩5分ほどのところにあります。
▼落語「王子の狐」はYouTubeで見ることができます。
4.参拝
装束稲荷から稲荷神社に向かいます。JRのガードをくぐって道なりに北上すると表門前に着きます。彫刻が施された立派な神門です。両脇には朱色の木柵があり、薬医門型となっています。
但し、この神門は境内が幼稚園となっているため、平日は閉まっています。右手には旧手水舎、正面に鳥居や階段、奥には社殿が見えますが、入れなければ仕方ありません。左側のいなり坂から入ります。ちょっと急坂です。
▼坂を上がると大鳥居の前に出ます。鳥居のすぐ先にやさしいお顔の狛キツネです。
▼周辺の常夜灯にも江戸時代の日付があります。
▼拝殿に正対して振り返ると、さきほど神門から見た景色が逆に見えます。狛キツネも背中から見るようになります。
▼閉められた門の内側には狛犬がいるのですが、台座も透かし彫りになっていてとても珍しいものです。
5.拝殿
▼社殿は江戸時代後期の1820年の造営で、11代将軍徳川家斉が寄進したもの。極彩色が鮮やかですね。それが都度改修があったにしろ現存しているのが素晴らしい。
6.本殿
▼拝殿の脇から本殿を見ることができます。
7.境内社
▼拝殿脇から境内社へ回ります。
▼奥に本宮が見えますが、手前にキツネさんが。
▼本宮と本宮前のキツネさん
▼本宮の脇に朱色の鳥居、その先に合祀殿
▼亀山稲荷神社、嬉野森稲荷神社、北村稲荷神社
▼その左手奥に御石様
願い事を念じながら持つ石の軽重により御神慮が伺えるという、つまり軽く感じれば叶い、重く感じれば叶わず。
▼御石様の手前に鳥居と石段。これを上ると御穴様。かつてはたくさんの狐が住んでいたという。
▼市杵島神社
神門から拝殿への石段の右脇にあるので、平日は参拝不可です。
8.その他境内
〇神楽殿
〇社務所
9.ご朱印
10.まとめ
さぁ、いかがでしたでしょうか。最後までお読みいただき、ありがとうございます。
さすが、関東稲荷総社と言われるだけあって建造物や境内諸物にも歴史があり、徳川将軍家の祈願所とされただけでなく、浮世絵、落語などから、庶民にも親しまれてきた神社であることがよく理解できました。境内自体はそれほど広くありませんが見どころ満載でした。
それにしても、幼稚園を併設している神社は時々見かけますが、境内が幼稚園の園庭だとは初めてでしたね。一参拝者としては手水舎の復元を望みます。
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