のと爺の古事記散歩

古希になった爺さんが勝手気ままに古事記を散歩します。

超入門古事記(17)国譲りその2~最強刺客登場!

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 アメノホヒ、ワカヒコと使者を遣わしましたが、11年経っても解決できず、アマテラスもいい加減頭にきちゃってます。全く役に立たん奴らじゃ、と怒り心頭です。でもね、よく考えてみると、アマテラスは解決策を探るとき、神々に丸投げして自分の考えは一切言わないですよね。これ、国のリーダーとしてはどうなんでしょうか。よく言えば合議制ですけどね。

 

目次 

1.ついに最強刺客を派遣

 アマ「もう、ドイツもイタリアも、じゃなくて、どいつもこいつも、全然役にたたん
   じゃないか、どうすんだよー!」
 思金「荒ぶる神を抑えるための使者はやめて、オオクニに直接交渉できる神を遣わし
   ましょう。」
 アマ「そんなやつおるんか?」
 思金天尾羽張神(あめのおはばりのかみ)か、その子の建御雷神(たけみかづちの
   かみ)という、えらい強いヤツがおるんじゃよ!」

 ということで、建御雷神と船の神である天鳥船神(あめのとりふねのかみ)を派遣したのです。

*天尾羽張神は、イザナギがカグツチの首を斬ったときの剱で、刀の根元についた血が飛び散って成ったのが建御雷神です。また、天鳥船神はイザナギ、イザナミの神生みで成った船の神です。雷は船に乗って天空と地上を行き来するものと考えられたことから、このコンビとなったと思われます。

2.建御雷神の交渉(1)

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 建御雷神と天鳥船神は出雲国の伊那佐之小浜に降り立ちます。そして、建御雷神は、十拳剣を抜き、逆さまに波の先に刺し立て、その剣先にあぐらを組んで座り、オオクニに尋ねます。

 えぇ~っ、そんなことして尻に剣が刺さるでしょうが!鉄のパンツを履いていたのか? これって、完全に脅しでしょう。

タケ「我らは、アマテラス様とタカミムスビ様の命令で、やって来たんじゃ。お前が領
  有する葦原中国は、アマテラス様の御子が治める国だと仰っておる。お前はどう思
  うか?」

オオ「ちょっと、なに言ってんのか分かんない。息子の八重事代主神に聞けや!ただ、
  今は美保の岬まで釣りに行ってるんで、ここにはおらんけどな。」

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 天鳥船に事代主神を呼びに行かせ、改めて尋ねます。すると、事代主神は、オオクニにこう答えました。
「この国は、天つ神の御子に差し上げましょう。」
そして、乗ってきた船を青々とした柴垣(ふしがき)に変えて隠れてしまったのです。

*柴垣は古代の魚を捕るための仕掛けで、魚が中に入ると出られないようになっています。つまり、事代主神は二度とこの世界に現れないという意思表示と考えられています。

3.建御雷神の交渉(2)

  タケミカヅチとトリフネはオオクニに尋ねます。
「事代主神の他に意見を言う子供はいるんか?」

 オオクニは答えます。
「もう一人、建御名方神(たけみなかたのかみ)がおる、こいつは強いでー!」

 そんな話をしていると、タケミナカタが千人がかりで引くほどの大岩を手の先でもてあそびながらやって来ました。
「我国にやってきてごちゃごちゃ言ってるのは誰じゃ、わしと力比べをやっぺ!わしが先に手を取って見せるべ!」

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 そこでタケミカヅチが自分の手を取らせたところ、たちまち手を氷柱に変え、また、剣の先に変えたのです。
 タケミナカタはビックリぽんです。「げぇー!あんたはターミネーターかや!?」
今度は、タケミカヅチがタケミナカタの手を取り、たちまち遠くへ投げ飛ばしてしまいます。タケミナカタは、恐れをなして逃げ出しますが、タケミカヅチは信濃国の諏訪湖にまで追い詰めます。
 「まいったー!どうか、命だけは助けてちょんまげ! 今後、わしはこの地から出ません。父、オオクニの言うことにも、コトシロヌシの言うことにも背きません。葦原中国は天つ神に献上いたします。」と言って頭を下げたのです。

*タケミカヅチとタケミナカタの戦いは大相撲の起源とも言われています。両国国技館へ行くと、正面入口を入って右側壁に二人が戦っている様子の絵が飾ってあります。

4.オオクニの条件付承諾

 タケミカヅチとトリフネは出雲国に戻ってきてオオクニに尋ねます。
タケ「おみゃーさんの二人の息子は天つ神に従うと言っていたが、どうするんだ?」
オオ「わしも背くつもりはナッシングよ!ただし、条件が一つあるんじゃ。」
タケ「なんじゃ、言うてみーや。」
オオ「わしの住処は、天つ神御子が住む光り輝く宮殿のような壮大な住居を建て、祀ら
  れることをお許し下さい。そうすれば、わしは出雲に留まり、また、わしの子供達
  である百八十神には、コトシロヌシが統率すれば誰も背きません。」

 こうしてオオクニは、出雲国の多芸志の小浜に立派な宮殿(出雲大社)を建て、天つ神に服属の印としてご馳走を献上したのです。

 タケミカヅチは高天原に帰り、葦原中国を説得して平定したことを報告しました。

5.今回のポイント

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①国譲りは武力平定か?
 
古事記では、平和的国譲りとして書かれていますが、実際はどうなんでしょうか?これも諸説あるテーマです。私は、武神である建御雷神を遣わしたことから武力平定と考えるのが自然かな、と思います。

②出雲大社は東大寺大仏殿より大きかった?
 
平成12年(2000年)に出雲大社の境内から、直径1.4mの巨大な宇豆柱が三本束ねられた状態で発掘され、話題になりました。これから推測すると48mの高さがあったと言われています。

③オオクニの子供は180人いた?
 
オオクニが自ら言ってるんですね。わしの子供達である百八十神と。兄神の八十神のときも説明しましたが、八十は大勢という意味で、実数の80ではありません。百八十は「ももやそ」と読みます。八十が百個ですから相当多いと言えるでしょうが、実数ではないと思います。

④神在月(かみありづき)は出雲だけではなかった。
 
10月は神無月(かんなづき)と言いますね。これは全国の神様が出雲に集まるため、神様が不在になるので神無月ですね。但し、神様の集まる出雲は神在月といいます。ところが、もう一カ所、神在月という地域があります。それが諏訪なんですね。なぜならタケミナカタは諏訪から出ないと誓ったので、10月でも諏訪にいるからなんです。

⑤出雲大社の宮司さんはアメノホヒの子孫です。
 
最初に葦原中国に派遣された天菩比神の子孫が代々出雲国造を継承し、出雲大社の宮司さんを務めています。

6.まとめ

 さぁ、いかがでしたでしょうか。最後までお読みいただき、有り難うございます。

 出雲神話の最大の出来事と言える「国譲り」が完了しました。これが「武力平定」なのか否か、もし武力であったなら、なぜ古事記は平和的国譲りとしたのか、諸説あります。機会があったら、別途お話ししますね。

 では、今回はここまでです。次回をお楽しみに!

 


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