神社と言えば、一般的には狛犬が置かれていますよね。もちろん、稲荷神社は狐ですが・・・。あとはどうでしょうか、日枝神社は猿ですね、最近行ったところでは寶登山神社の奥宮は狼でした。そして、今回訪れたのは埼玉県さいたま市浦和区にある調神社(つきじんじゃ)なんですが、ここはなんと珍しいことに菟(うさぎ)なんです。
さぁ、なんでかな~? 神社名もつきじんじゃ、なんて難読ですよね。
1.場所
ここです。
2.御由緒と御祭神
神社にある由緒板です。一読で理解できたら、あなたは天才です!HPが見当たりませんでしたので、由緒板をよーく読んでみましょう。
当社は天照大御神 豊宇気姫命 素戔嗚尊の三柱を祭神とする延喜式内の古社にしてより朝廷および武門の崇敬篤く調宮縁起によれば第九代開化天皇乙酉三月所祭奉幣の社として創建され第十代崇神天皇の勅命により神宮斎主倭姫命が参向此の清らかな地を選び神宮に献る調物を納める御倉を建てられ武総野の初穂米調集納蒼運搬所と定めらる
倭姫命の御伝により御倉より調物斉清の為め当社に搬入する妨げとなる為鳥居、門を取払はれたる事が起因となり現今に到る
これ、とっても凄いことがごく普通に書かれています。まず、調物の「調」とは、「租庸調」の「調」、つまり律令制での税で地方の特産物などをいいます。懐かしいですね~、租庸調って中学の社会で習いましたかねぇ、すっかり忘れていた言葉です。
そして、開化天皇も崇神天皇も紀元前の天皇です。倭姫命は、十二代景行天皇の妹で歴史的にも重要な役割を果たした方です。天照大御神を伊勢に案内し鎮座の地とされたり、結果的ですが甥の倭建命(ヤマトタケル)の窮地を救ったりと、古代のスーパーウーマンと言って良い方です。
要するに、
神宮(多分、伊勢神宮のこと)に献上する武総野(関東一円のことと思います)の調物(貢物)を保管する倉庫を建て初穂米・調の集積所とした。そして、倭姫命の意向で調物の運搬の妨げになる鳥居や門を取り払った
ということですね。そして、宝亀2年(771年)ごろ、武蔵国所属の街道変更により御倉としての役目を終え、その後は神社として奉斉されるようになったのです。地元では調宮(つきのみや)、つきのみや神社とも呼ばれているようですが、「調」を「つき」とはなかなか読めないですよね。「調」⇒「つき」⇒「月」⇒「うさぎ」となり、狛犬ではなく神の使いとして「うさぎ」がいる神社として親しまれています。
話が長くなりました。では、参拝しましょう。
3.参拝
県道213号線(旧中山道)に面して入口がありますが、上述の通り鳥居はなく、支柱が立っています。そして狛うさぎが鎮座しています。子うさぎが一緒なのがわかりますかねぇー。支柱裏には大正五年の日付があり、狛うさぎの台座には昭和九年十一月とあります。
参道を進むと右手に手水舎があります。ここにもうさぎです。
手水舎を過ぎると左手に社殿があります。
4.社殿
社殿は安政5年(1858年)に造営されたもので、本殿・拝殿が一体となった権現造りです。彫刻が見事ですね。うさぎも溶け込んでますね。
5.摂末社
〇稲荷社(旧本殿)
〇調宮天神社
6.その他境内
〇神池 ここのうさぎは勢いが凄い
〇長谷川かな女句碑
〇旧狛うさぎ
〇これ誰?(一説ではスサノオ?)
〇絵馬・おみくじ
〇神楽殿
〇神輿庫
〇社務所
〇南入口 南側にも入口があり、ここには鳥居があります。
7.ご朱印
書き入れでいただきました。
8.まとめ
さぁ、いかがでしたでしょうか。最後までお読みいただき、有り難うございます。
狛犬じゃなくて狛うさぎなんて、面白いなぁ、ちょっと行ってみっか、なんて軽い気持で行ってみたら、とんでもなく歴史ある神社でした。ここでは省略しましたが、神社なのに鳥居がないとか、狛犬じゃなくて狛うさぎとかを含めて調神社の七不思議と言われていることがあるようです。
世間にはまだまだ知らないことがたくさんありますね。
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